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コラム第一弾「21世紀を戦争と貧困のない世界に」
投稿者: Report_hm 掲載日: 2008-1-21 (5365 回閲覧)
コラム第一弾は、G8サミット市民フォーラム北海道事務局長の越田
清和さんにお話を伺いました。越田さんは、大学時代から人種差別
問題に関心を寄せ、国際的なNGOでの活動経験があります。サミット
に対してどのような思いを持っているのか伺ってみました。

越田清和さんプロフィール

【所  属

G8サミット市民フォーラム北海道事務局長、
ほっかいどうピースネット、さっぽろ自由学校「遊」理事、
ほっかいどうピーストレード

【経  歴

札幌生まれ、札幌育ち。
大学時代はアイヌ人の差別問題、在日外国人の指紋押捺反対な

どの人種差別に関心を寄せる。33歳のとき、フィリピン先住民族

調査、支援活動のためフィリピンへ赴く。帰国後、東京のNGOアジア太平洋資料セ

ンター(PARC)にて専従スタッフとして勤務。
2003年4月に生まれ故郷の札幌に戻り、現在に至る。

【趣  味
大学時代は、山登りサークルに所属。日高、大雪、知床などの道内の山を制覇し

た。夏休みは山登り。下山後、ヒッチハイクをして札幌まで戻っていたことも。
趣味は映画を見ること。スキーにいくこと。リズム&ブルース、初期のレゲエなどの

昔のレコードを聞くのがすき。大きい風呂が好きで、休日は家の近くの銭湯に通っている。



Q1)G8サミットについて


白幡 「これまでのG8サミットにどのように関わってこられましたか?」


越田さん 「以前東京で働いていたときに、日本で行われたG8サミットに2回NGOとして関わっ

ていました。一番初めが1993年に東京でやったサミット、2回目が2000年の沖縄サミット

です。東京サミットの時に、G8の国々が中心となって作っている世界銀行、国際通貨基金

(IMF)が行う「構造調整プログラム」の中止を求める国際民衆法廷を開きました。途上国、

貸し手側の国(アメリカ、ヨーロッパ)、約30カ国から参加者が集まりました。G8をターゲッ

トにして、貧困問題、特に構造調整プログラムのことを問題するようになったのは、90年代

初めからです。所属していたNGOのPARCが行いました。
2000年沖縄サミットの直前からは、途上国は債務を抱えすぎていて、利子分の債務を返

していても、その額が政府予算の30%にもなる。そのため債務を返すことにお金を使いす

ぎて、人々の暮らしを守るための学校予算や保険予算がどんどん減らされる。ということが

問題になりました。そこで、『いったん債務を帳消しにしましょう』という運動=「ジュビリー2

000」が90年代後半から広がりました。

2000年までに重債務最貧国、ほとんどがアフリカの国々で

すが、それらの国の債務を帳消しにしようという国際的な運動

です。沖縄サミットの時にその国際会議を行い、G8諸国に債

務帳消しを訴えました。PARCはジュビリー2000(債務帳消し

国際キャンペーン日本実行委員会)の事務局でした。
ジュビリー2000の成果は、途上国が抱えている借金、G8諸

国が貸しているODAについては帳消しとなったことです。
外務省の考えは、『途上国がなぜ発展するかというと、借金を

背負っていると借金を返さなければいけないと一生懸命頑張る。だから、途上国は発展して

いくのだ。』というものでした。その理由は、日本のODAの財源が、半分は税金。半分は財

政投融資だったからです。他の国のODAはほとんどが税金なのです。」


Q2)沖縄サミットについて

 

井下 「沖縄サミットではどういう風に成果を出したのですか?」


越田さん 「ジュビリー2000というのは、世界的なキャンペーンなのです。その後のグロー

バルな社会運動の先駆けみたいな感じがありました。ジュビリーは聖書の言葉ということも

あり、カトリックを中心とする世界のキリスト教会や国際自由労連という世界的な労働組合

が一生懸命取り組みました。それから、僕が入っていたNGOや世界的なNGOである、イ

ギリスのオックスファム、アクションエイド、クリスチャンエイド、などの大手のNGOも含め

て、世界のいわゆる途上国の貧困問題にかかわっているNGOがほとんど全部関わって

いました。何千万という世界的な署名運動を行い、集まった署名を沖縄サミットの前のケ

ルンサミットのときにもって行ったのです。それだけではなくて、サミットの時に大聖堂の

前を人間の鎖で囲みました。
各国政府の政策を変えなくてはならない。各国政府に対して

も、同じようにアプローチをした。それはダイレクトアクションで

す。日本でも大蔵省に交渉し、大蔵省の前を人間の鎖で囲み

ました。政策を変えるためには、ただ話し合うだけではなくて、

ダイレクトアクションと合わさって初めて力を持ちます。国際的

な圧力もあり、今まで日本政府は、債務を絶対返してもらわな

くてはならないという態度を少し変えたのです。本当に変えよう

と思ったら、政治家を含め、変えていかなければなりません。」 


Q3)北海道洞爺湖サミットに向けて

 

白幡 「今度の洞爺湖サミットに向けてどんなことをしていくのですか?」


越田さん 「これまではサミットというものがあって、そこでG8の諸国に『債務問題の解決』を求め

ていました。今度は、『G8サミットってなんだろう?」ということをみんなで考えていく場を作り

たいと思っています。


白幡 「具体的にはどのようなことがありますか?」


越田さん 「サミットってなんだろう、ということを学ぶセミナーなどを開催していきます。サミットがい

る、いらないということも含めて。もしやるなら、世界全体の市民に開かれたものにしないと存在

意義がありません。一番の問題は、8つの国、しかもお金もあって、権力もあるような国があつ

まって、その8つの国のことだけではなくて、世界全体のことを決めている。それは、本当に民

主主義でしょうか、という点を考えて行きたいですね。

また、せっかく北海道でやると決まったのだから、これをひとつのきっかけにして、せっかくこの

サミットが行われる島をどう考えるか、どういう風な未来が望ましいのかなど、未来のビジョン

をみんなで話し合いたい。環境、開発貧困、平和人権もそう。将来自分たちがどういう社会を

作っていくかということの市民のイメージをはっきりさせていく場にしたいですね。」


白幡 「最後に、意気込みをひとことお願いします。」


越田 「21世紀を戦争と貧困のない世界にしましょう。」


白幡・ 「どうもありがとうございました。」


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